犬の肥満と本気のダイエット

肥満犬の本気のダイエット

肥満犬は適正体型の犬より2年も短命です。

犬の3頭に1頭が「肥満」または「太りぎみ」

愛犬は太りすぎていませんか?
「食べている姿がかわいい」とか「おねだりをされるとついついあげちゃう」「コロコロしていてかわいい!」という飼い主さんは多いのではないでしょうか?
でも、ついつい食事やおやつを必要以上に与えてしまうあなたの行動が愛犬の肥満の大きな原因です。

肥満は、心臓病・糖尿病・関節疾患・腫瘍などさまざまな病気の引き金となるキケンがあります。そして、適正体型の犬の方が、太りぎみの犬より約2年も長生きすることがわかっています。
肥満は、愛犬の寿命を縮める大きな一因であることを理解しておきましょう。
愛犬が健康で長生きするために、愛犬の適正体重と肥満度をチャックして太りぎみなら本気でダイエットに取り組みましょう。




肥満をチェック♪

犬のダイエット毎日一緒にいると愛犬が少しずつ体重が増えているということに気づかなくなっています。
まずは、愛犬の適正体重と肥満度をチェックしましょう。

同じ犬種でも大きな親から生まれた子犬は標準といわれている身長体重より大きくなるし、小さい親から生まれた犬は小さくなります。
ですから、同じ犬種でもその子の適正体重は異なるのです。
では、個体差のある犬の適正体重を知るにはどうすればよいのでしょうか?
犬は、だいたい1才前後でおとなになります。この時期の体重がその子の標準体重と考えられます。

犬の場合、最適な体重よりも15%増えると肥満といわれています。
「ほんの少ししかオーバーいないから大丈夫」と安心しないで小さな犬にとっては「ほんの少し」ではないのです。

肥満をチェックするには、体重測定と体型を触って調べることができます。

犬の肥満をチェック

犬の体型(適正)犬の体型(肥満)


まず犬の後ろから背中に親指をあてて、両手で胴体の一番太いところを包み込むようにしながら手を前後に動かして肋骨に触ってみます。
上から犬を見たときに、くびれが確認でき肋骨を容易に触れるなら適正犬。
胴体のくびれがなく、腹部が明らかに丸みを帯びていて、脂肪層の厚みで容易に肋骨に触れないなら立派な肥満犬です。
本気でダイエットを始めましょう。

愛犬の1才位の写真があれば、今の体型と見くらべてください。
大きくなっていたらダイエットが必要かもしれません。

肥満のリスク

心臓病などの内臓疾患
肥満は、脂肪に胸郭や気管が圧迫されることで、呼吸がしづらくなり心臓への負担が大きくなってしまいます。
そのために肥満犬は適正体型の犬に比べて2年も短命だといわれています。
その他にも人とおなじで糖尿病、高血圧症、肝臓病、腎臓病などのリスクが高くなります。
そして、手術のときの麻酔量が増えたり、キズが治りにくくなるなど連鎖的に他のリスクをかかえることで、大切な愛犬の寿命を縮めることになります。

愛犬が最近、いびきをかいていませんか?

チワワ犬いびき看板犬のチワワのりんちゃんは、避妊手術前3.2kgだった体重が、6ヶ月後に3.8kgになってしまいました。
たった600グラムと思ってしまうかもしれませんが、19%も増加です。50kgの人であれば、59.5kgになったことと同じです(ビックリ!)
最近ゴォー、ゴォーとかわいい寝顔に似つかわしくない大きないびきをするようになりました。最初はクスッと笑っていましたが、驚くほどの大きないびきが心配になってきました。
動物病院で「肥満によってのどの周辺に脂肪がついてしまい、のどが狭くなってます。ダイエットを始めましょうね」といわれてしまいました。
わかっていてもおねだりされるとあげすぎてしまっていました。りんちゃん肥満犬になってしまいました。反省しています。
食事療法をはじめました。

関節の障害
犬も人も肥満になると歩くことを嫌がります(笑)
特に大型犬はどうしても肥満になると、脚に負担がかかりやすく関節を痛めることが多くなります。
子犬のときに太りすぎると、脂肪細胞の数が増えます。さらに成犬になっても必要以上のカロリーを与えると細胞のサイズも大きくなり、ますます太りやすい体質になるので注意が必要です。
お散歩をいやがる愛犬は、もしかしたら肥満によって関節や骨が痛いのかもしれませんね。

肥満の負のスパイラル
肥満になると

心臓に負担があって呼吸が苦しいから動きたくない
関節に負担がかかって痛いから動きたくない

エネルギーが消費されない

だからますます肥満になる。

肥満の原因

食べ過ぎ!
人と同じで摂取するエネルギーが消費するエネルギーをオーバーしてしまうと余ったエネルギーが脂肪となって蓄えられてしまいます。耳が痛いですね。

運動不足
散歩や体を使った遊びをしないと、エネルギーが消費されなくなるばかりか筋肉も落ちて基礎代謝量が減り、ますます太りやすい体質になります。

避妊・去勢
生殖器の機能維持にもカロリーが必要です。避妊・去勢によってそのカロリーが不要になり、さらにホルモンバランスも崩れがちになるため、体重が増える犬が多くなります。

加齢
人とおなじで、加齢によって基礎代謝量が減ってきます。若いときとおなじカロリーの高いフードやおやつを食べつつけていると、どうしても肥満になりやすくなります。

太りやすい犬種
ブルドッグ、柴犬、ダックスフンド、コリー、ビーグル、ゴールデンレトリバーなどの狩猟犬や牧羊犬など運動量の多い犬種は食欲もおう盛なため肥満になりやすいです。
太りやすい犬種は、毎日の運動によってエネルギーを消費させないと太りやすくなりますので注意しましょう。

本気のダイエット

肥満犬のダイエット方法
ダイエットを考える時、単純に今食べているフードの量を減らすことを考えてしまいますが、それでは体を維持する必要な栄養素が不足して健康を損なう危険性があります。
また、運動してエネルギーを消費させようとして、嫌がる肥満犬に激しい運動をさせた場合、心臓に大きな負担となることやヒザや関節を痛めてかえって歩けなくなることがあります。
そうなったらダイエットの意味がありません。
ダイエットの目的は、健康で長生きするためのものですから無理なダイエットは避けましょう。

では、肥満犬にとっていちばんいいダイエット方法は何でしょうか?

1.おやつ禁止
犬のダイエット
ねだられると「ちょっとだけね!」とか「ママに内緒だぞ!」と知らない間に家族の誰かが少しずつのつもりで沢山与えてしまっていることがよくあります。
ダイエットを本気で取り組むときは、「おやつ禁止」令を家族みんなが守ることが必要です。
中途半端に与えるとせっかくの本気のダイエットが失敗してしまいます。
ごほうびとしておやつを与える場合は、一日分のフードの中から与えるようにして、摂取カロリーを増やさないようにしましょう。

2.食事をきちんと量って与える
与えているフードを決められた量を、きちんと量って与えましょう。
目分量で与えていると、ついつい多くなってしまいます。

3.年齢に適した食事
犬の成長過程によって必要な栄養素が変わってきます。子犬に必要なカロリーは成犬の2倍。反対に7才以上のシニア期、高齢期は基礎代謝が減っているので成犬と同じ食事ではどうしても肥満になりがちです。犬は人より早く年をとります。7才になったらフードを切り替えましょう。

4.ムリのない運動
食事だけでダイエットをすると、筋力が落ちてしまいます。適度な運動で筋肉を維持しましょう。筋肉が落ちると基礎代謝量も減るのでやせにくくなります。
ただし、肥満犬の場合は、軽い運動でも心臓や関節に負担がかかりますから、まずは体重を落としてから軽い運動を始めましょう。
その際、肥満による脚腰の負担を減らすのに、極厚のクッションのコルクマットを敷いてあげることも飼い主さんのやさしさですね。

5.動物病院に相談
自己流のダイエットは効果が薄いしキケンです。
必要な栄養素が取れなかったり、激しい運動をすることで足腰を痛めるなどのリスクがあります。獣医さんに相談して計画的にダイエットをはじめましょう。

6.ダイエット専用の療法食
ダイエットの基本は食事の管理です。低カロリー低脂肪で摂取エネルギーを制限し、繊維質で満足感を与え、脂肪を燃焼させるタンパク質をしっかり摂取するなど、無理なくダイエットできることが大切です。無理なダイエットで健康を害しては意味がありませんからね。

そのために、市販のダイエット専用のフードはカロリーが低いけれども、犬に必要な栄養素はそのままなので、今のフードに1/4、1/3、1/2と徐々に切り替えていくだけで簡単にダイエットができます。
ダイエット中でも筋肉量を維持し、体脂肪を減少させることで、リバウンドのリスクを減らして太りにくい体質づくりが実現できるフードを選びましょう。

肥満は百害あって一利なし

肥満は気づかないうちにはじまっています。

肥満のリスクから愛犬を守れるのは飼い主さんだけです。

犬は勝手に太ってしまうものではありません。
肥満チェックで「うちの子肥満かな?」と思ったら、そのままにせず健康的にダイエットを行ないましょう。

何事も早期発見が大切。
手遅れにならないうちに毎日の生活で太らないように食事と運動に気をつけましょう。
ダイエットに成功したからと安心するとすぐにリバンウンドしてしまいます。ですからダイエットに成功したからと気を抜かずムリなく太らない生活を続けられるように心がけましょう。

だって、大切な家族ですから健康でいつまでも元気で楽しく過ごしたいですね。
肥満は百害あって一利なしです。

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