犬の膣ポリープ|陰部が腫れて赤い塊が飛び出た!切除&避妊手術
看板犬のリンちゃんは今年10才。人間で言えば還暦60才の高齢犬です。
生理は、2年前からなくもう終わったものと思っていたら、生理の様な出血が始まって「あら、最後の生理かしら?」と思っていたのですが、通常は10日もすれば終わって陰部の腫れも引いてくるのですが、今回は出血が終わったのに陰部がいつまでも腫れていました。
どうしたのかな?と早速、病院に連れて行きましたが、その時点では外からは陰部が少し腫れている以外は気になって自分で舐める程度の症状しかなく、食欲もありオシッコもウンチも問題なくしていたので病院の先生も大丈夫ですよとのこと。その2日後に陰部から突然、赤い塊が陰部からポロンとでてきたのです。
赤くフニャフニャと柔らかい塊なので、腸が飛び出る「脱腸」かと思い、腸と思っていた赤い塊を元に戻そうと押し込んでもやっぱりでてくる。
病院へ連れて行くと先生がその赤い塊をビヨーンと指で引っぱりだしたら、ブランブランと揺れる位に2〜3㎝ぐらい伸びました。陰部の腫れは、生理ではなく膣内でポリープ(腫瘍)ができていたようです。そしてそれがウンチをして力んだ拍子に外に飛び出したものでした。
診断は「良性の膣ポリープ」。スグに切除手術することになりました。このとき「良性」と聞いてホッと安心しました。
膣の腫瘍・ポリープは、子宮から膣にできる腫瘍です。この腫瘍は膣内で発生してゆっくりと大きくなるため小さいときは発見できません。
りんちゃんの場合も、出血からポリープが陰部の外に出るまで約1ヶ月ぐらいでした。
外に飛び出て初めてその存在に気づくことになるので、普段よりも陰部の腫れが長引いたら犬の膣ポリープかもしれません。注意をしてあげてください。
犬の膣ポリープは、避妊手術をうけていないメス犬に発生することが多く、性ホルモンが関わっていると言われています。2才までに避妊手術を終えていれば発生しないという報告もあります。
高齢になると、人も犬もいろいろなバランスが崩れて病気になりやすいので、日ごろからいつもと違う行動や体の異変には注意が必要です。早期発見が大切ですね。
やはり、繁殖を考えていなければメス犬は2才までに避妊手術を受けておくことがいいでしょう。そして、高齢犬で膣ポリープを発症した場合、再発のキケンがあるため腫瘍の切除と同時に、避妊手術で子宮や卵巣を摘出する手術を行なっておく方がよいでしょう。
膣ポリープをそのまま放置して「乾燥してポロンと自然に落ちた」ということもあるようですが、それはたまたま感染しなかっただけなのできちんと切除手術を受けることをおススメします。
膣のポリープは「良性」のものだけでなく「悪性」の場合もあります。膣は子宮や卵巣とつながっているため悪性の場合は、病気が広がる恐れがあるので病院で正しく検査してもらう方がよいでしょう。
避妊手術とは、子宮や卵巣を摘出する手術のことです。メス犬は若いうちに避妊手術を行なうことで、メス特有の病気を予防することができます。そして、生理による出血などで部屋を汚すことや飼い主のケアの煩わしさがなくなります。繁殖を考えていない場合は、2才までに避妊手術を行なえば90%は、病気の予防ができるといわれています。
今では広く行なわれている手術ですが、全身麻酔のリスクや術後の炎症やまれに女性ホルモン不足による皮膚病で脱毛をおこす場合があります。
そして、高齢犬になってからの手術のリスクが大きくなることから、若い時期に考えておいた方がよいと言われています。
りんちゃんも高齢犬ですが、ポリープの手術をするので同時に手術を受けることにしました。
若いときには必要とないと思っていましたが、実際にこういう経験をすると早く手術を受けておけば良かったかな~と思いました。
今年10才になるリンちゃんですが、高齢にもかかわらず無事手術が成功し、病理検査の結果も良性とのことで一安心しています。
9才になるまでは、病気ひとつすることなく元気でしたが、高齢といわれる年齢になって毎年大きな病気になっています。
大切な家族ですから、一緒にいる時間が少しでも長くなるように、健康には気をつけていきたいとおもっています。
手術前の剃毛でお腹の毛がまだはえていません。黒い毛なので前髪パッツンと切った様に剃毛されているのがかわいい♥おなかに顔を描いてみました(笑)
抜糸も済んで、いまは滑らないコルクマットの上を走り回ったり、ゴロゴロとする元気な姿に癒されています。