プードルやチワワなどの小型犬に多い膝蓋骨脱臼とは!
原因と予防方法

ヒザのお皿がズレる膝蓋骨脱臼

かわいい愛犬はフローリングで滑っていませんか!?

もともとは土の上で暮らしていたワンちゃん。自然の大地は柔らかく、走り回ってもジャンプしても衝撃は柔らかい土が受け止めてくれていました。
しかし、私たちと一緒の室内での生活で犬が歩く床は、硬く滑るフローリングになっています。
そのために、犬は思うように歩けなくなってしまい、ムリに踏ん張ることで足や腰、関節にはそうとうの負担がかかってしまっているのです。
愛犬の足腰の負担を軽くするために、滑ってキケンなフローリング床の滑り止め対策を考えて上げてください。

片足を上げてスキップしていませんか?

いつもフローリングで生活している愛犬が、散歩の時や遊んでいる時、片足を上げてスキップして歩いたり、足をかばって引きずるように歩いていたら『膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)』かもしれません。






膝蓋骨脱臼とは?

膝蓋骨というのは膝のお皿の骨です。
犬の膝蓋骨脱臼とは、後ろ足のヒザの関節のお皿が正常な位置から内外へはずれてしまう状態をいいます。
はずれることによって、膝関節のなめらかな屈伸運動ができなくなります。その際、痛みを伴うため脚を上げてあるいたり、まったく歩けなくなるのです。

膝蓋骨脱臼は、様々な犬種で発生しますが、小型犬が85%をしめます。
遺伝によるものと、外傷によって脱臼するケースがあります。
外傷による原因は、転倒や滑ることといわれています。フローリング床で生活している室内犬は、日常的に滑っていることで膝蓋骨脱臼になる危険が高くなっています。
初期の段階では犬自身が足を伸ばしたり、人が手を貸せば簡単に正常な状態に戻ることが多く、飼い主さんも気づかないことが多いようです。

どんな犬種が膝蓋骨脱臼になりやすい?

特に、トイ・プードル、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、チワワ、マルチーズなどの小型犬や柴犬によく見られます。
活発に動き回る子には特に気をつけてあげてください。
膝蓋骨脱臼になりやすい犬種

症状は4段階

普段は大丈夫で時々はずれる症状から骨格が変形して歩けなくなるまでの症状に4段階に分けられます。

グレードⅠ 膝蓋骨は指で押すと脱臼するが通常は正常な位置に収まっている。
ムリに強く足を引っぱったり滑ったりすることで外れますが自然に戻ります。
グレードⅡ 膝蓋骨は自然に脱臼と正常な位置に戻ることを繰り返している。
無症状から足を浮かせて歩くなど様々な症状が見られる。人の手で戻すことができる。
グレードⅢ 膝蓋骨は常に脱臼していて、そのままでは正常な位置に戻らない状態。
自然に正常の位置に戻ることがないが、人の手で戻すことができる。
脱臼した足を上げてスキップするように歩く。
グレードⅣ 膝蓋骨は常に脱臼しており、元に戻らない状態。
骨格の変形が重度で脚を伸ばすことができない。
原因は何?

膝蓋骨脱臼になる原因には、遺伝的な先天性のものと高い所からの飛び降りなどによる後天性のものがあります。
トイプードルやチワワなどの小型犬は遺伝的に多く見られ、生まれつき膝関節のまわりの筋肉や骨、靱帯の形状異常が原因です。

滑ることが大きな原因のひとつ!

後天性で多く見られるのは、フローリングの床などで滑って転んだり、高い所から飛び降りて着地に失敗することが脱臼のキッカケになることがあります。
活発で走り回ったりジャンプする犬は小型犬に関係なく膝蓋骨脱臼になる危険があるので気をつけてあげてください。

治療方法は?

グレードⅠ〜Ⅱの治療方法は、サプリなどの治療ですが、それ以上のグレードになるとズレている膝蓋骨を正常な位置に戻すための手術が必要です。
進行しすぎると手術ができない場合もあるので、早めに動物病院へ行くことをおススメします。
先天性の膝蓋骨脱臼が見られる場合は、骨が成長する前の早い段階の若い時期の手術が有効です。

犬にとって手術は大きな負担となりますから、普段からの予防を心がけましょう。

何でもそうですが、症状が悪化してからでは、治療も大変になります。ですから、「いつもと違う歩き方をしているな。」と感じたらすぐに動物病院で診察してもらいましょう。
放っておいて自然に治るものではないので、治療時間も治療費も少なくて済む「早期発見」がポイントです。

手術費はいくらかかるの?

手術にかかる費用は、動物病院によって異なりますが、相場としては20万円〜35万円です。また、グレードが高くなるほど当然手術費も高くなります。
そして、2〜3日の入院費用も必要となります。(小型犬で3000円〜5000円/日)
ペット保険に入っていなければ、負担が大変ですね。
膝蓋骨脱臼にかかりやすい、犬を飼っている飼い主さんは保険のことも考えておいた方が良いかもしれませんね。

予防方法は?

膝蓋骨脱臼を予防するには、ヒザに負担をかけないことが一番重要です。
硬い床や滑る床で遊んでいると、日常的にヒザに負担がかかってしまします。若い時は大丈夫でも、高齢犬になると積み重ねてきた負担で膝蓋骨脱臼になる可能性が高くなってしまいます。子犬を迎え入れた時から、コルクマットを敷くなどの予防対策をとっておくと安心です。
犬が行動する場所がフローリングという方は、絨毯やコルクマットなどを敷く滑り止め対策が良いでしょう。

肥満に注意!!

膝蓋骨脱臼を持っていても無症状で過ごしているワンちゃんは多いです。これに気づかないまま肥満にさせてしまったり、激しい運動をさせていると将来膝蓋骨脱臼が悪化して、突然歩けなくなる可能性が高まります。
ですから、普段から歩き方に気をつけることと「肥満にさせない!」ということが脱臼の予防になります。
いつまでも、元気でいっしょに暮らしていくためには関節のトラブルにも注意しましょう。

愛犬の脱臼予防には厚手のクッションのマットが一番良い

膝蓋骨脱臼の予防には、やはり衝撃をやわらげて滑らない床で日常生活を送ることが一番いいです。
カーペットより、ジョイントマットなどの厚みのクッションが衝撃をやさしく受け止め、犬の膝への負担を和らげることから、膝蓋骨脱きゅうの予防に最適です。

フローリング床の室内で生活する小型犬は膝蓋骨脱臼になりやすいもの。
愛犬がそうなる前に準備をはじめませんか?

そして、もうすでに膝蓋骨脱臼になってしまった愛犬には、再発しないように予防が必要です。
部屋中に敷きつめなくても、最初はソファーから犬が飛び降りる所に敷くなどするだけでも犬の膝蓋骨脱臼の予防になります。

犬はかしこい動物です。自分が快適な場所や楽に歩ける床をわかっているので、最初は警戒しても自分から楽な場所を選ぶものですね。
早速、あなたの愛犬にもフローリング床の滑り止め対策に取り掛かりましょう。


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