飼い主が守るべき法律上の義務は2つ
犬を迎え入れた飼い主は、必ず守るべき法律上の義務が2つあります。
1.現在居住している市区町村に飼い犬の登録をすること。
2.年1回の狂犬病予防注射を受けさせること。
これをしていなくて一番困ることは、ペットホテルやドッグランを利用できないことです。そしてもしも愛犬が迷子になった時、登録されていれば追跡ができますが、登録されていなければ探し出すことができなくなってしまいます。愛犬の身の安全のために登録しておきましょう。
生後3ヶ月以上の犬を飼うときは、血統書つきであろうと雑種であろうと市町村窓口へ届け出ることが法律で義務づけられています。登録すると犬鑑札が交付されます。手数料が必要で、毎年4月に更新が必要です。登録を済ませると犬鑑札とステッカーが発行されるので、鑑札は首輪に、ステッカーは玄関など見やすい所に貼ってください。
この目的は、犬の所有者を明確にしどこに犬が飼われているのかを把握して、もしも狂犬病が発生した場合にその地域において迅速に対応ができるためです。めんどうでも必ず実行してください。
昭和25年制度の狂犬病予防法によって決められた飼い主の義務にもうひとつ狂犬病の予防注射があります。
狂犬病は、感染後発症すると治療することはできません。ですから予防注射で発症を予防することができるのです。
注射は年に1回、4月に畜犬登録が済んでいれば役所から連絡がきます。動物病院なら一年中受け付けているので、4月以降に犬を飼い始めたらできるだけ早くすませてください。
日本では昭和31年を境に狂犬病は絶滅したとされていますが油断は禁物です。東南アジアの国々から発生事例が報告されています。デング熱のように突然日本で流行することもあるので注意が必要ですね。普通に飼っていれば大丈夫だと思います。ただし、愛犬が他人に危害を与えた場合その人が被害届などを出されると書類送検などの罰則があります。本来は大変厳しい法律なのです。
愛犬が狂犬病予防だけでなく、事故を起こした時に予防注射を受けていないことは法律違反ととなります。
犬を飼い始めたらできるだけ早く済ませておいてください。
血統書は義務ではありませんが。これは人間の戸籍謄本のようなものです。
犬種にはそれそれ理想の姿を定めた「スタンダード」があり、定められた形態や特徴がはっきりと判断できなくてはなりません。
そのため、両親名から3〜5代さかのぼった祖犬名まで記載され、その犬の血液にふくまれている純血血統の組合わせを証明するものとして重要な意味を持っています。
買い主が要求すれば、売り主が犬種団体に登録を申請してくれますが、血統書を交付してもらうためにはその料金を支払わなければなりません。血統書はのちのちまで純粋犬どうしの交配と繁殖を維持していくために作られるものなので、これがあれば犬の価値も高まります。純血種を守るという目的で発行されているのが血統書です。
ただ、血統書付きだから利口だとは限りません。
雑種でもいい犬はいっぱいいるので、血統だけにはこだわらなくていいと思います。
犬の登録をしている犬が死んだり、人にゆずったりしたときは、市町村の窓口に廃犬届を出して「鑑札」を返し、登録の末梢手続きをしなければなりません。
血統書のある犬が死んだときは、血統書の裏面に死亡年月日と所有者の住所、氏名を書き登録団体に送ります。愛犬の思い出に血統書を保存しておきたかったら、それを申し出れば、台帳から抹消した後、送り返してくれます。
愛犬がなくなったことは、悲しいことですが最後の義務をはたしましょう。