犬はかなり駿足!でも鈍足の犬もいるのです。
犬は人間のように足の裏全体を使っているのではなく、かかとを地面につけずつま先だけで歩いたり走ったりしています。つま先だけで走ると疲れるのでは?でも犬は疲れないのです。
野生の時代、犬は草原に群れ単位で生活していました。食料となる獲物を捕まえるために、速くそして長距離を走り続ける必要がありました。そのために、耐久レースに向いている足のかたちをしているのです。
犬のすばらしい走りに爪は大きな役目を果たしています。蹴りだして前に進むときむき出した爪ががっちりと地面をとらえることで、力が無駄なく使われるスパイクの役目をしているのです。犬の足はつま先だけで走る長距離ランナーに向いています。
犬の体型は、人と暮らし始めたせいでそれぞれの目的にふさわしく改良されました。アナグマやアライグマの猟のとき獲物の小さい穴にもぐりこみやすいようにと改良されたミニチュア・ダックスフンドの胴長短足の体型や、牛にはね飛ばされないように体高が低く、体に角先が刺さらないためにたるんだ皮膚に改良されたブルドッグなど、祖先と言われているオオカミのスレンダーな体型から、長い年月の間に人の手によって体型がずいぶん変形していきました。
その中で、スレンダーな体型と細く長い脚で風を切って走るグレイハウンドやボルゾイなどは、いかにも速く走れるボディを持ち備えています。この駿足の犬の特徴は、細くて長い脚に小さな頭、背から腰へつながる弓状の背の曲げ伸ばしが速く走るための無駄のない体型への改良されました。
背から腰へつながるアーチは、前足で着地すると同時に背を丸めて力をため、後ろ足を着地点よりも前方へ深く踏み込むのには絶好のつくりとなってます。
世界一のスピードで走る犬はグレイハウンド。本来は野うさぎ猟などに使われていましたが、今では駿足をかわれてドッグレース犬となっています。速く走る犬の代表選手です。
本来、動物の中でも犬は、獲物を追いかけるためにかなり速く走る性質を持っていました。しかし、なかには走りの遅い犬もいますが…。闘犬として牛と闘うために闘技に都合の良い体形、性格を改良されたブルドッグや徒歩で猟をする人のための猟犬、背が低く歩行速度の遅い犬種に改良されたバセット・ハウンドといった短足の体型をした犬が代表です。バセット・ハウンドは靴メーカー「ハッシュパピー」のキャラクターマークでも有名ですね。
同じ短足ですが、ダックスフンドは、元々が小獣猟でならした追跡上手なだけあって、非常に歩き回りたがり足が短いにも関わらず結構な速さで走ります。
犬の足が長距離レースに向いているとすれば、猫の足は短距離の瞬発力に向いています。ネコ科のトラやヒョウが、待ち伏せした獲物に抜き足差し足と音もなく忍び寄り、一気に飛びかかって捕まえるように、猫も追いかけるよりも隠れて待つタイプ。
猫の爪は力を抜いている時には引っ込んでいます。爪をしまうことで音を立てずに獲物に近づくことができ、獲物を捕まえるときに爪を出します。猫と違って犬の爪はいつもむき出しのままです。
犬の爪の伸び方はには犬種、体型、散歩や運動量などで差があります。外での運動量(散歩量)が多い犬は自然に爪が減りますが、室内犬や老犬は爪が伸びやすくなります。犬の爪がのびすぎると内側にまがって足の裏を傷つけてしまいます。
カーペットや段差に引っかかり、根元から折れたりすることもあり、とても危険です。
爪切りは、月に1回〜2回。その際、血管や神経が通っている部分で切ってしまわないように気をつけましょう。爪が白い犬は血管が薄く透けて見えますから、血管の通ってない部分を1~2mm程度残して切ります。黒い爪は血管が見えないので、少しずつ切りましょう。
看板犬のリンちゃんの爪も黒色。2才ぐらいのときに切りすぎて、血が止まらなくなってしまいました。それ以来、動物病院で月1回爪切りに通っています。簡単な健康診断や先生にいろいろ相談もできるので自分で爪切りが怖い人は、病院での爪切りもおススメです。
フローリングで生活する犬にとって、伸び過ぎた爪はとても危険!!爪が割れたり、踏ん張れないために足腰に大きな負担がかかります。
しっかり爪で床を捉えられるように、厚みのあるコルクマットなどを敷くことをおススメします。
獲物を捕まえるための狩猟犬としての駿足も、家庭で飼われているとその能力を発揮する場所はなかなかありません。足が速い代表格のグレイハウンドやホイペット、ボルゾイなどの犬種は、広い大型犬専用のドッグランなどで思いっきり走らせてあげることも必要でしょう。毎日は無理でも月に1〜2回は思う存分走らせてあげましょう。普段見られない犬の走りの能力に驚きと喜びを感じられるはずです。
愛犬が生き生きと走ったり、遊んでいる姿を見ることはわたしたちの喜びです。かっこいいスレンダーの犬や樽のような姿の犬も、縁あって一緒に暮らしているのですからストレスなく生活をさせてあげたいものですね。