愛犬が7才のお誕生日を迎えたころから準備を始めましょう!
愛犬はあなたよりも5倍ほど早く一生を終えることを知っていてください。
犬の平均寿命は小・中型犬が15才、大型犬が10才といわれています。
飼い主の愛情と医療の進歩で長生きする犬が多くなってきています。
いつまでも元気だと思いたい愛犬も、老化が始まる〜高齢〜介護が必要〜お別れの段階を進んでいくことを覚えておきましょう。
そして、老化が始まっても、寿命を迎えるその日まで生き生きと健康寿命を延ばしてあげるために私たちにできることを考えましょう。
愛犬にとってはあながた世界のすべてですから、「介護」が必要になる前、シニア期にできることや心構えを準備していれば安心ですね。
「愛犬が幸せな時間を過ごせること」・・・それが私たちの願いですから。
犬は、人間と同じく高齢化が進んでいます。飼い主の愛情と医療の進歩が長寿を支えています。
老化が始まるシニア期は、犬種や個体差がありますが、小型犬→11〜13才、中型犬→10〜12才、大型犬→8〜9才、超大型犬→7〜8才といわれています。
シニア期に入ると長く生活を伴にしてきた私たちと愛犬の関係は成熟の時期を迎えています。
お互いの気持ちや行動がわかり合い穏やかに暮らせる一方で、愛犬は見た目の変化や病気にかかりやすくなる時期でもあります。
突然、老化ははじまりませんが、少しずつしぐさや見た目の変化があらわれてきます。
いつも一緒にいる家族ですから、衰えていく愛犬を想像すると悲しくなるかもしれませんが、お互いの幸せのために知っておきたいことなのです。
小・中型犬の老化は10才ぐらい(人間では44才ぐらい)から始まり、平均寿命は15才ぐらい(人間では76才ぐらい)です。大型犬の老化は7才ぐらい(人間では52〜58才ぐらい)からはじまり平均寿命は10才ぐらい(人間では75〜82才ぐらい)です。確実に私達より寿命が短いですね(泣)
シニア期を迎えた犬は、さまざまな衰えがあらわれます。
視力や筋肉の衰えによって足腰が弱くなってくるため、今まで問題なかった段差が上がれなかったり、床で転ぶこともあります。
特に後ろ足が弱って立ち上がることが難しくなってきます。
また、活動量も減って基礎代謝が落ちるので、成犬と同じカロリーを摂取していると太りやすくなります。
シニア用にフードに切り替えるのもこの時期です。
そして、人と同じで犬もシニアになると体調を崩しやすくなり、生活習慣病などの病気にかかりやすくなります。
7才になったから「介助・介護」が必要になることはありませんが、毎日少しずつ変化していることは覚えておきましょう。
愛犬が長く健康でいられるように、シニア期に入ったら生活環境・食事・健康管理など愛犬が過ごしやすい環境づくりの準備を始めましょう。
「備えあれば憂いなし」のことわざ通り、必ず来るとわかっていることに準備をしていると安心ですね。
いつもと違うサインに気づいてあげられることが、大切な愛犬を健康で長生きさせることにつながります。
おかしいと感じた出来事や、いつもと違うと感じたときにカレンダーなどにメモをとっておくと病院などの相談のときに役に立ちます。
今までできていたことができなくなることがありますが、叱らないでください。
いままでたくさん愛犬に癒されたことを思い出して、愛情を持って接してください。
あなたの笑顔が大切な愛犬を長生きさせるのですから。
次の項目にひとつでも当てはまる症状があらわれたら、一度病院に連れて行きましょう。
動きたがらない、元気がなくなるという変化は、あらゆる病気の初期段階のサインです。
視力が落ちてきたら怖がって動きたがらなくなり、腹部や関節などに痛みがあれば、その部位をかばうような姿勢で固まっていることもあります。
いつもと違う様子に気づいたらスグに動物病院へ連れて行きましょう。
犬の体温は、被毛の少ない耳の付け根を触ることで、体温の高低を感じることができます。
毎日触るだけでも平熱の把握ができるので、スキンシップを兼ねて毎日の習慣にしてはいかがでしょうか。
老犬は、目のバリア機能が低下します。日常的に目の状態をチェックしましょう。
まずは黒目のチェックを習慣化しましょう。
黒目の中心である瞳孔には水晶体というレンズがあります。このレンズが老化や病気によって変形すると、視力に影響を及ぼすます。
水晶体がすりガラスのように濁ると「核硬化症」という症状で、これは加齢のあらわれで進行は比較的緩やかで、視力への影響も少ないといわれています。
しかし、似た異変を起こす病気の「白内障」は進行が早いので、早急に動物病院へ連れて行きましょう。
見た目では白目は見えづらいので「あっかんべー」をするように下げて確認します。
その時、下まぶたの裏の粘膜の色が、ピンク色なら健康、薄いピンク色は貧血、黄色が混じった色は肝臓などの病気のサイン黄疸、紫色は血液中の酸素量が不足した状態の呼吸器系と循環器系の病気が疑われるチアノーゼです。
嗅覚は視覚や聴覚よりも衰えが遅く、高齢になっても機能する大切な感覚器です。
鼻水が乳白色に濁っていたら、感染症の恐れがあります。
そして、外傷以外の犬の鼻血は要注意。繰り返す鼻血は重度の病気が疑われたり、歯周病が原因のことがあります。
犬は鼻水や鼻血を垂れないように自分で舐めるので、外見だけではわからない場合もあります。
頻繁に鼻をなめるしぐさや、鼻血などはどんなにキレイに舐めても痕跡が残ります。犬の様子と生活環境への注意も見逃さないようにしましょう。
水をたくさん飲むのは健康のサインに見えますが、オシッコの量が増えたために、体内の水分が不足してのどが乾き、飲水量が増えるのです。
急に大量に水を飲んで、大量にオシッコをするようになったら、肝臓機能の低下や糖尿病、クッシング症候群の疑いがあります。
普段から、一日の飲料水を把握しておくことが必要です。
犬も老化によって被毛にも毛づやが落ち、毛量が減ったり、白毛が目立ち、皮膚に弾力性がなくなり乾燥したりと自然の老化による衰えがあらわれます。
ただし、脱毛はともなう場合は、病気のサインです。
左右対称に脱毛する場合は、老犬がなりやすい甲状腺機能低下症やクッシング症候群などの内分泌の病気です。毛の抜け方もチェックしましょう。
オシッコは毎日のように観察できるものなので、注意深く様子をみましょう。
老犬になると、飲料水の増加や精神の問題から、尿漏れが多くなります。
逆に、1日以上オシッコをしないと、急性腎不全を発症し、尿毒症に陥る可能性があります。オス犬は前立腺の異常で尿道が塞がっている可能性もあります。
尿が出ないときや、オシッコのにおいや色がいつもと違うときは動物病院へ。
健康なウンチは茶色っぽく、適度な硬さがあり、犬の体に見合った太さがあります。
下痢の原因は、胃腸などの消化器系と、肝臓やすい臓、腎臓など臓器の異常の場合があります。
また、便秘は運動不足や性飼うリズムの乱れが原因で起こることもありますが、おなかの腫瘍や前立腺の病気が原因のこともあります。
屋外でオシッコをすると、臭いや色の異常に気づいてあげることができません。
人も犬も年令を重ねてから新しいことを覚えるが難しくなりのは同じです。
老犬になってから急に室内でトイレをすることは愛犬にも飼い主さんにもストレスとなります。
ですから、屋外でトイレをする習慣のある愛犬は、シニア期になるまでに、室内のトイレシートでできるようにしておきましょう。
老化によって基礎代謝や活動量が低下して太りやすくなります。シニア用フードに変更して適切なカロリーの摂取につとめましょう。
しかし、フードをシニア用に変更しても、急激に体重が増えたときは甲状腺機能低下症のような病気かもしれません。このときダイエットは危険です。
逆に、しっかり食べてカロリーも適切で、下痢や嘔吐していないのに体重が減少するときは、体内の腫瘍や糖尿病などが疑われます。
健康寿命を延ばすには、適正体重を維持することが必要です。
犬や四肢で歩く動物なので、少々痛みがあっても他の足でかばいながら歩くことがあります。
関節炎や変形脊椎症は老犬によくみられる病気です。この場合運動を制限して安静にすることが必要です。
ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、シェパードなどの大型犬に多い股関節形成不全は、前足に体重をかけて後ろ足をかばうように歩きます。その結果、お尻の筋肉が落ち、歩幅が狭くなります。
肥満が症状を30px;悪化させる一因となります。愛犬は痛みを辛抱しているかもしれません。早めに異常に気づいてあげましょう。
一緒に暮らした愛犬の介護や治療は長期にわたることもあります。
どこが痛いか、苦しいか、どうして欲しいことを言葉で伝えることができない愛犬の一番の理解者は、長年ともにしてきた飼い主です。
愛犬も飼い主も大変なことが多くなりますが、コルクマットを敷くことで歩きやすくなったり、寒さを遮断して痛みを和らげるなどの工夫で、快適に過ごせる方法が見つかるはずです。
介護のために飼い主がムリをしてはいけません。
犬にとってあなたの笑顔が元気の源になります。
愛犬が終末期を迎えたとき、治療や介護でもっとできることがあったのではないかと後悔するかもしれません。
しかし、愛犬を思ってとったあなたの判断なら、それが正解なのです。
元気でかわいい子犬のときからず〜っと一緒にいた楽しい思い出が、介助や介護を支えてくれることでしょう。
7才になったら、生活環境と介護用品の準備をはじめましょう。